神戸大学 保田隆明ゼミ

神戸大学保田ゼミの様子を日々レポートします!

ここまでの歩み

こんにちは。

お盆ですね、皆様いかがお過ごしですか?

もうお盆ということは私たちの挑戦ももう残りわずか。

今日は私たちのここまでの歩み、そして3週間の経営状況をご報告します。

少し長いですが、何度も推敲して書き上げましたので、ぜひご一読お願いします。

 

 

 

 

遡ること数ヶ月、2016年春

保田ゼミの一員となった私たちに最初に課された課題は、リアルなビジネスを学ぶために10人で協力して一からビジネスを運営するというもの。それはまず「何をするか」決めることから始まり、「どこでするか」「何を売るか」「資金はどうするか」「オペレーションはどうするか」など、何もないところからビジネスを生み出すという未体験なものだった。

 

5月から取り掛かったプロジェクトだったが、度重なる議論の結果、神戸で有名な「俺の餃子」とフランチャイズ契約を結び、須磨海岸に店舗を構える海の家kuronbowに店舗の一角を借りるという大枠が固まったのは開始から1か月が経った頃。販売期間は7月21日~8月21日までの1か月間、初期投資はすべてゼミ生自身の出資で賄うこととなった。 

 

プロジェクトを進めながら、ゼミの組織構造や情報共有システムを改善し、組織としてようやくまとまりを見せてきたころ、

社会人の方を招いての中間報告会が行われた

が、結果は悲惨なものだった。「暑い夏の海で餃子の需要はあるのか」「餃子以外のものは売らないのか」「そもそも何のためにこのビジネスをするのか」突きつけられた質問を前に、私たちは自分たちのビジネスに対する認識の甘さを痛感した。

 

しかしオープンの日程はすでに決定していて、落ち込んでいる暇はない。企業理念の見直し、それぞれの部署におけるタスクの再分配、新しいコミュニケーションツールの導入など、それぞれがリアルビジネスという未知の存在に対して手探りの状態ながらもできる限りの努力をした。結果、何とか7月21日のオープンにこぎつけることができ、オープン直前まで続いた議論の根幹、このプロジェクトの目標も「俺の餃子を神戸一有名にすること」に決まった。

 

 

やっとの思いでオープンした俺の餃子須磨店

が、ここからが本格的な苦難の始まりであった。先ほども述べたように、このプロジェクトにかかる費用は全額ゼミ生の自己負担。利益が出なければ負担はすべてゼミ生が背負うことになる。それにもかかわらず、オープンして約一週間、赤字続きであった。平日の目標売上6万円、休日の目標売上は11万円。ある程度の根拠のもとに打ち出したはずの売り上げ目標だったが、達成には程遠い日が続いた。会議室で議論して得られた仮説と実際に店を運営して得られた結果とのギャップの大きさに、私たちゼミ生の焦りは募った。しかしプロジェクトはすでに実践の段階に突入している。ここで諦めるという選択肢は存在しなかった。

 

 

現在

今までの赤を何とか黒にするため、ゼミ生はがむしゃらにプロジェクトの改善に取り組んでいる。私たちは座学で学んだことだけでは実際のビジネスに歯が立たないことを知った。しかし同時に、実際に営業することで得られた顧客の反応や現場の雰囲気などの情報が大きな武器になることを学んだ。これらの経験、そして今まで学んできたことをもとに、人員の削減や店舗外装の変更、また今まで取り込めていなかった消費者層へのアプローチ案の模索、新商材の投入など、営業開始以前では想定していなかった多くの点に関して議論し、実践し、反省点の検討を繰り返している。

 

 

店を運営できる期間は残り約1週間。

私たちはこのプロジェクトが走り出した当初、ビジネスのゴールは単に利益を出すことだと考えていた。しかし実際に現場に入って一週間、私たちの価値観は確実に変化しつつある。確かにビジネスのゴールは利益を出すことである。だが実際に現場に入りお客さんと接しているとき、そんなことは考えない。餃子の注文が一つ入るだけでうれしい。お客さんに「おいしい」「頑張ってるね」と声をかけてもらうだけでもっと頑張ろうと思える。もっとお客さんに俺の餃子須磨店を好きになってもらうにはどうすればよいのだろうか。もっとお客さんに喜んでもらうにはどうすればよいのだろうか。ビジネスのゴールは「いかに顧客に対して価値を提供できるか」なのではないだろうか。そしてその指標として利益というものが存在するのではないだろうか。

残り少ない営業期間で私たちは須磨の人々にどれほどの価値を提供できるのか。今現在俺の餃子須磨店は赤字続きである。しかし私たちの努力によって須磨店がより多くのお客さんに愛される店になれば、おのずと経営は右肩上がりになるはずだ。私たちはこの短い期間で全力を尽くし、必ず俺の餃子須磨店を誰もが立ち寄る人気の店にしようと決意した。

私たちの夏はまだまだ終わらない。

 

 

 

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

引き続き応援宜しくお願いします。

 

神戸大学保田ゼミ一同