繁盛店虎の巻。
保田ゼミで一番、保田先生を尊敬している小松です。
どれぐらい尊敬しているかというと、ゼミの課題図書でブログを書くぐらい。
僕がお気に入りの散髪屋の話。
大阪府でも田舎である茨木市の、その中心からかなり離れた床屋です。
西岡さんという理髪師が奥様と二人で経営しています。
この西岡さんを一言でいうと、くせの強いおじさん。
アメリカンテイストの外装といい、ハワイアンな雑貨を壁一面においてる内装といい、くせがにじみ出ています。
なんせ床屋やってるのに、ロン毛。なんでやねん。灯台下暗し?
まあ、そんな人の流れから離れた床屋であるにもかかわらず、そこそこ儲かってるそうです。
そんな西岡さんに散髪をしてもらった後、お客さんが来ないのでお話ししていたときのこと。
なにかの話の続きで、西岡さんは僕に言いました。
「カフェに入って席に着いた時、どこ見てる?」
僕はよくわからなかったので、
「外ですかねー。」
続けざまに西岡さんは
「そやねん。最近、カフェのカウンターが外に向いてて、全面ガラス張りのとこってあるやん。」
「はい。」
「あれってやっぱり飽きへんねんな。外を歩く人ってずっと変化するから見てられる。」
たしかに、と思いました。何を見てるわけではないけど、ぼーっとできるなーと。
「売れてる店に入ると、なんで売れてるかを考えてみたりするんやけど、その一つに目線の逃げ場があるってのもあると思うねんなー。
二人で飯屋行って、会話もなくなってきたら、変な感じなるやん?
顔を見つめるのもおかしいし、隣の客を見るのも失礼やし、天井見てたら頭おかしいやん。
例えばカフェは外が見れたり、居酒屋にテレビがついてたり、バーにキャンドルがあるのはそれやと思うねん。」
先ほども書いた通り、この店はハワイアンな内装で、ハワイで買い付けられた雑貨が所狭しと並んでいて、散髪している間も飽きません。
「ビッグボーイの人形しぶ」
「まだあの意味わからん女の子飾ってるやん」
「ビリージーンのジャケット懐かしいなー」
「新作の女の子おるやん」
などなど。
ところで課題図書は『ビジネスマンのための「行動観察」入門』。
この本では、行動観察のプロフェッショナルである著者が、消費者の行動を観察し、分析し、解決策を提示することで、ある店舗や商品の価値をあげるようにコンサルティングを行った事例を語っています。
消費者の行動を観察することで、消費者が抱えている潜在的なニーズを明らかにする、こんなかんじ。
事例では、主婦の生活を観察してニーズを見つけ出したり、イベント会場の入場者を観察して運営をスムーズにしたり、優れたビジネスマンを観察してそのエッセンスを明らかにしたり。。。
この行動観察という技法。
西岡さんとの話にある通り、現場に立つ経営者にとってはかなり身近な問題で、優れたビジネスマンは自然と行っていることなのかもしれません。
繁盛店を作るためにはそんなことまで考えないといけないみたいです。
それを実体験に基づいてわかりやすく紹介しているのがこの本。
次回、12/6(火)15:00~17:00のゼミではこの課題図書についてゼミ生が議論します。
見学者歓迎の保田ゼミですので、興味を持った方は六甲台キャンパスI224にどうぞ。。。