もし都会の大学生がローカルアベノミクスの『地方創生』について考えたなら
私達はこの9/25~28の4日間、徳島県南部の『美波町』での地方創生を考えるインターン
に昭和女子大の保田ゼミ生と共に参加しました。『東京』や『大阪』また、『神戸』な
ど都市部で生活をおくる私たちにとって、美波町での様々田舎な体験はどれも新鮮で刺
激的でした。
★新鮮で美味しい食材の宝庫
まず一番に体感したのは、圧倒的に新鮮で美味しい食材に山のようにありつけたこと
です。地元でとれた巨大なマダイをはじめ、コリコリした食感のアオリイカ、市場に出
回ることのないアユなどの海産物の他にも新鮮な野菜、地元でとれた米や徳島名産の地
鶏の『阿波尾鶏』を実際に食べ、美波町を体で感じる一つのきっかけになりました。
またここ美波町にある、地元の新鮮な食材を使ったお店をいくつか紹介します。
(美波町で穫れた真鯛!)
○ODORI
このお店は、今回のインターンを全面的にバックアップしてくださった「株式会社あわ
え」の社長である吉田社長の経営する飲食店です。2日目のランチで利用させてもらっ
たのですが、その日とれた野菜を使ったサラダや阿波尾鶏のソテーなど、徳島県美波町
の味覚をギュッと凝縮したメニューが特徴のレストランです。(URL:
(地元の阿波尾鶏を使ったodoriのコースメニュー)
○居酒屋 つくし
このお店は、地元の人(通称ジモピー)であるたけちゃんの経営する居酒屋です。若者に
合わせたオシャレな内装は、良い意味でどこか美波町を感じさせない雰囲気の漂う居酒
屋です。どのメニューも新鮮でほっぺたが落ちそうになりそうだったのですが、その中
でも「生レバー」が絶品であったように思います。都会では決して食べられることので
きない珍味は、ここでしか味わえません。(URL:
https://tabelog.com/tokushima/A3602/A360203/36006389/
)
(鳥の生レバー。新鮮。絶品。都会じゃ食べられない。)
★都会人にはワカラナイ、等身大の大自然
これも今回の美波町での議事生活を通して感じたことなのですが、手のつけられて
いない自然がそのまま残っていることも一つ美波町の大きな魅力であると感じました。
関西から多くのサーファーを呼び寄せる海、新鮮な魚が採れる川、そして町の大部分を
占め、綺麗な空気を与えてくれる山、この『海・山・川』三拍子揃った美波町は、決し
て都会では感じることができない魅力を持ち合わせています。
(美波町の海をバックに保田ゼミ生でパシャリ。)
★自分の町大好き、美波町民
何よりもこれが一番感動したことなのですが、美波町の人は美波町を心から愛して
いるということです。普段の日常生活に加え「つとめ」と呼ばれる町民としての役割
や、1年の中での一大行事である「日和佐八幡神社秋祭り」に賭ける思いは地元民のお
話からひしひしと伝わってきました。今回の合宿で私が一番感動したのはこの「地元
愛」であったように思います。
さて今回の合宿は、このような魅力溢れる美波町で考える地方創生についてだったので
すが、そもそも地方創生という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にどういうこと
なのかワカラナイ!という方に少しだけ説明しちゃいます。
地方創生:第二次安倍政権で掲げられた、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に
歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策である(参照:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%89%B5%E7%94%9F)
と言う風に説明されています。地方創生と書くと難しく聞こえますが、要するに、都会
にばっかり出ていかないで地方に残って地元盛り上げていこうよ!田舎にも良いところ
あるよ!ということであると勝手に解釈しております。美波町を例にあげると、この町
は全国から様々なベンチャー企業を誘致し、若者を町に取り込み町を活性化していこう
としています。先述した通り、美波町には、都会では決して体験することのできない雄
大な自然が残っています。この町に本社やサテライトオフィスを置く企業の社員さん
は、そこで仕事をするかたわらサーフィンをしたり、農業をしたりといわゆる「半X(=
サーフィン、農業)半IT」な生活を送っています。美波町はこれをアピールポイントと
し、現在では14社のベンチャー企業を誘致していると地元の方はおっしゃっていまし
た。この合宿の3日目に企業訪問をさせて頂いたのですが、担当の企業を訪問させてい
ただいたところ、ちょうど社長さんがサーフィンからあがってこられた所に遭遇するこ
とができ、この目でその町で働くことの魅力を目の当たりにし、「百聞は一見に如か
ず」とはまさにこのことだな、とつい感激してしまいました(笑)
この町の魅力を存分に感じた後は、それを元に、この美波町をさらにどう活性化して
いくのかを美波町の方々に提言するというプレゼンテーションが待ち構えていました。
私達学生は4つのグループに分かれて、それぞれの班で行った企業訪問や、この町の人
のリアルな声をきいてそれを参考にアイディアを考え、各班が発表を行いました。ここ
だけの話、アイディアを考える時間があまりなく、私たちの班はかなりフワッとしたア
イディアになってしまいました。
しかし、美波町の皆さんは各班の発表をお聞きになられて、まるで今まで聞いたこと
の無いような斬新なアイディアを聞いた、というような反応をしてくださりました。厳
しい意見を受けると想像していた私たちにとってこのことはとても驚きでした。
では、このようなことがナゼ起こったかを考えるにあたっては、次のような要因が考
えられると私は感じました。
『若い人の意見を聞く機会がない』
サイファーテックの吉田社長が
「この町では45才でも若者扱いされる」
とおっしゃっていました。私達が一般的に想定する若者は20代だと思っていました
が、この美波町にはそもそも高校、大学がなく、また若者が就職するような仕事があま
りなく、それが原因で20代が少ないそうです。このことが若者の意見を聞く機会を減少
させ、若者にとって魅力的な町からは遠ざかり、それを改善しなければ成らないのだけ
れど若者の意見を上手く取り込めずに困っているのかなと感じました。その点では、今
回の合宿は、若者である私たちにとって地方とは何か、実際にどのようなことが起こっ
ているのかを肌で感じることができた絶好の機会であったし、美波町の方々にとって
は、普段はあまり聞くことの無い若者の意見を取り込むことができたのではないかと恐
縮ながら思っています。
今回のこの合宿は株式会社あわえ(URL: http://www.awae.co.jp/)
の吉田社長はじめ、美波町に拠点をおくベンチャー企業の方々や地元の方々の御好意が
あって成立した合宿だと感じています。このような地方の方々の暖かみは、日本人が本
来もっているものなのかなと思います。地方創生という言葉がその言葉だけで終わるこ
と無く、他の町にもこのような活動が広がれば良いなと願っています。